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執筆者の写真trefle osteo

首コリはリラックスを妨げる⁈

最近ではテレワークをすることも多くなり

パソコンと向き合う時間が増えたり

スマホを見る時間が増えたりと

首への負担が増えて首コリや

またそれに伴った頭痛に

悩んでいる方も多いのではないでしょうか。


コリや痛みは

リラックスを妨げになってしまうのはもちろんですが

特に首のコリは

自律神経の中の副交感神経の

神経の流れを妨げてしまうことがあります。


今回は

首のコリと副交感神経(自律神経)について紹介します。




首回りの解剖

首回りのコリと副交感神経の関係において

一番のポイントは

胸鎖乳突筋と副交感神経(迷走神経:CN10)の走行です。


①胸鎖乳突筋


首














胸鎖乳突筋(Sternocleidmastoid muscle: SCM)は

側頭骨の乳様突起から胸骨と鎖骨についている筋肉で

首の同側側屈や反対側回旋、前屈に作用します。

(例:右SCM → 首右側屈&左回旋、前屈)


また胸鎖乳突筋の特徴は

骨格筋では珍しく脳神経(副神経:CN11)

支配されているということです。


②迷走神経(CN10)


迷走神経は第10脳神経で

副交感神経(自律神経)を含む神経です。


胸郭内臓器(心臓、肺、気道など)と

消化器官(食道~横行結腸の前1/3)を支配しており

身体がリラックス状態になった時に

それらの臓器に対しての信号伝達が活発になります。


迷走神経の信号伝達が活発になると

心拍数や血圧が低下したり

消化活動が活発になったりします。


首










この神経は脊髄とは違い大後頭孔(Foramen magnum: FM)を通らず

頚静脈孔(Jugular foramen: JF)を通って頭部を出ます。

そして首の前部を通って胸部や腹部に到達します。


このとき迷走神経は

総頸動脈(Common carotid artery: CCA)の斜め外前方に位置し

胸鎖乳突筋の下(後ろ)を走行しています。


また迷走神経の外側には

横隔神経(Phrenic nerve)も走行しています。



胸鎖乳突筋と迷走神経

迷走神経はその解剖学的位置から

胸鎖乳突筋の影響を受けやすくなっています。


先ほど、胸鎖乳突筋の働きの1つとして

首の前屈があると紹介しましたが

普通に起きて上がっている状態では

首の前屈時(頭を前に下げる)には

ほとんど筋力は必要ないですよね。


ただこれが仰向けで寝ている状態から

首を前屈させるとどうでしょうか?


起き上がっているときは

頭を前に下げるだけでよかったですが

仰向け状態では”頭を持ち上げる”動きに変わります。


このとき左右の胸鎖乳突筋は同じ筋力で

5Kg前後(成人の場合)もある頭を

持ち上げなければなりません。


また胸鎖乳突筋は

頭を支えている筋肉でもあるため

起き上がっている状態の時には

常に働いている状態になります。


そのためこの筋肉は知らず知らずのうちに

疲労が蓄積しており

ほとんどの人がこの筋肉にコリが生じています。


それにより

首の動き(特に回旋運動)が悪くなったり

頭痛が生じたりすることがあります。


さらに胸鎖乳突筋の柔軟性が損なわれることにより

その下(後ろ)を走行している

迷走神経周辺の環境も悪くなるので

神経の信号伝達が鈍くなってしまい

せっかく交感神経の働きが弱まっても

十分にリラックスできなかったり

疲れが取れにくくなったりしてしまうことがあります。



リラックスしやすい身体づくりが大切!

最近では香りや音楽など

”リラックス効果”のあるものを生活に取り入れて

できるだけ自分を癒してあげようとしている方も

多いのではないでしょうか。


ですが、それらを用いて

せっかく自律神経のスイッチの切り替わりはできても

副交感神経のスイッチをONにした時に

それが起動しなければ意味がありません。


そのためまずは

副交感神経である迷走神経周辺の

環境を整えてあげることが大切になってきます。


整骨院などで

誰かに施術をしてもらう場合には

胸鎖乳突筋を含めた首回りの施術を受けてみてください。

また頚静脈孔周辺の筋肉や関節などにも

アプローチをかけてあげるとより効果が出てきます。


さらにちょっとした空き時間などに

自分でストレッチをすることもできますが

その場合には少し注意が必要になります。


筋肉の働きや走行からして

頭を後ろに倒す(首を後屈する)と胸鎖乳突筋が伸びると

思う方もいると思いますが

この動きは首の後ろに大きく負担がかかり

大切な神経がある首ではこの動きはあまり好まれません。


そのため胸鎖乳突筋をストレッチする際には

首の側屈(左右に頭を倒す動き)を利用します。


首














まずは両手重ねてを鎖骨部分(写真の赤い部分)に当てて

下(写真の矢印方向)に向かって軽く押します

これにより鎖骨の動きをロックします。

次にストレッチをしたい胸鎖乳突筋と

反対方向に頭をゆっくりと倒していきます

(例:右SCMのストレッチ → 左に倒す)

痛くない程度に頭を倒したら

その位置を維持した状態で5~10回深呼吸をします。

深呼吸が終わったらゆっくりと頭を起こし

反対側も同じようにします。


胸鎖乳突筋のハリやコリの強い方は

耳の後ろあたりまで引っ張られるように

感じるかもしれません。


もう1つの注意点としては

痛みのない範囲内で行うということです。


”痛み”が生じてしまうと

無意識で防御反応が起こってしまい

リラックスさせるどころか

逆にその筋肉を働かせてしまうことになってしまい

逆効果になってしまいます。


自分が気持ちいいという範囲内でストレッチを行ってください。



最後に

首に不調を感じている人はもちろん

特に不調を感じていない人でも

首の筋肉や関節を触ってみると

痛みや違和感を感じることが多いです。


日常で取り入れている

”リラックス効果”をより効果的にするために

ぜひ首回り、特に胸鎖乳突筋のケアをやってみてください。


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