テレビやSNSなど、最近では「自律神経」という言葉を
目にすることが多いと思いますが
自律神経にどんな役割があって
身体にどんな影響を与えているのかは
知らないという方も少なくないと思います。
そこで今回は、簡単な自律神経の説明と
自律神経が乱れることで起こる
健康へのリスクにすいて紹介します。
自律神経ってどんな役割があるの?
体温や心拍数、血圧に呼吸数など
いわゆるバイタルと呼ばれる身体の基礎的な健康状態は
交感神経と副交感神経の2つの自律神経によって
コントロールされてます。
この2つの自律神経は真逆の働きをしていて
それらが身体の状態やその場の状況などに応じて
バランスよく働くことで生命の維持や
身体を一定の状態に保つこと(ホメオスタシス)ができます。
そのため、自律神経の働きに乱れが出ると
身体全体的に乱れが出てきてしまい
結果として身体の不調や健康トラブルを
引き起こしてしまうことも多いです。
自律神経の働きが乱れる原因って?
自律神経の働きに悪影響を与える要因は
大きく2つに分けられていて
神経自体に直接的にダメージが加わることで
神経の働きに変化が起こる内因性/一次要因と
間接的に神経に影響して
働きに変化が起こる外因性/二次要因があります。
内因性のものには、糖尿病のように
末梢血管/毛細血管の細い血管で循環障害を引き起こしてしまい
その周辺の神経細胞への栄養供給が低下してしまうことで
結果的に神経自体にダメージを与えてしまう疾患や
純粋自立神経不全症やパーキンソン病のように
神経自体の疾患によるものがあります。
また、事故やケガなどによって
直接神経を損傷してしまったものもこれに含まれます。
外因性のものは、神経のネットワークに変化を起こし
自律神経の働きに乱れを生じさせるものになるので
要因は多岐にわたり、心臓病やその他疾患、
慢性ストレスなどさまざまです。
※ただし、心筋梗塞や心筋症など
虚血(循環障害)を伴う疾患の場合は
内因性要因となることもあります。
自律神経が乱れるどうなるの?
自律神経が乱れてしまうことで
一番気をつけないといけないのは
血圧や脈拍数など血液循環に関わるものです。
交感神経の働きが活発な場合は
血圧や脈拍数は上昇して血流が多くなり
心臓や血管壁に負担がかかるので
この状態が長期化してしまうと
心筋や血管の劣化が早くなったり
年齢や動脈硬化などの血管の状態によっては
血管が破れて出血を起こしてしまうので
頭の血管や大動脈など場所によっては
命に関わったり重度の後遺症に繋がってしまいます。
逆に、交感神経がうまく働かなかったり
副交感神経が急に活発になったりすると
血圧や脈拍数が低下して血流が少なくなるので
脳に十分な酸素が巡らなくなってしまい
頭痛や失神を起こしたり
立ち上がりの際にふらつきが生じたりします。
血管迷走神経性失神や起立性低血圧などが
これに当てはまりますが
症状は一時的なので危険度は低いですが
ふらつきや失神によって衝突や転倒した場合に
場所やタイミングによっては
大ケガになってしまうこともあるので
頻度が多かったり何度も繰り返していたら
食生活や生活習慣を見直したり
専門医に相談してみてください。
また、上記のような極端な乱れがなくても
休息/睡眠時に交感神経の働きが活発のまま
もしくは緩やかになりきれないと
睡眠の質が低下してしまい
心身のダメージの修復/回復が十分に行われず
不調やさまざまな疾患を引き起こしてしまったり
日中/活動時に交感神経の働きが不十分だと
仕事や勉強、育児などいろんな場面での
パフォーマンスが低下してしまい
効率が下がったりミスをしてしまうなど
ストレスの原因となることもあります。
さらに、自律神経はエネルギー代謝にも関わるので
自律神経が乱れてしまうことで
エネルギーの枯渇が起こってしまったり
逆にエネルギーを過剰に貯蓄してしまうなどの
代謝異常の原因になることもあります。
最後に
疾患による自律神経の乱れは
自分でだけで予防や改善をするのは難しいですが
ストレスや生活習慣によるものであれば
生活習慣の見直しや睡眠・食事・運動を
改善することで予防/改善になるので
できることからはじめてみてください。
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