疲労や筋力不足、年齢的によるものなど
肩の動きを悪くなる原因はさまざまあります。
そしてそれには
皮膚や筋肉、靭帯など
肩周辺のいろんなものが関与しているので
動きを改善が難しいことも少なくありません。
そこで今回は
肩の施術で効果的なテクニックの組み合わせとして
「MET×Articulatory technique(AT)」を紹介します。
どうして肩の動きの改善にはMET×ATが効果的なの?
“肩”と一口に言っても
肩関節をスムーズに動かすには
実はその他の関節の動きの影響も受けていて
下記の3つの関節が大きく影響しています。
胸鎖関節(胸骨と鎖骨)
肩鎖関節(鎖骨と肩峰突起)
肩甲胸郭関節(肩甲骨と胸郭)
肩関節を動かす時
腕の動きに合わせて鎖骨と肩甲骨も動いているので
その鎖骨と関節を作っている胸鎖関節、
肩甲骨と関節を作っている肩甲胸郭関節、
鎖骨と肩甲骨で関節を作っている肩鎖関節は
動きが悪くなるとダイレクトに
肩関節の動きの悪さに影響します。
ですが、これらの関節は
その関節だけを動かすことは難しく
肩関節/腕の動きと連動させて
施術を行うことが多いです。
また、これらの関節は動きが大きくないので
筋肉収縮を利用したMETと
関節の動きを他動的に反復するArticulatory techniqueの
2つを組み合わせることでより効果的に
関節に動きを生み出すことができます。
施術の時のポイントは?
先ほど紹介した3つの関節に対して
アプローチをかける時のポイントは
肩関節を大きく動かしすぎないことです。
多くの場合、テクニックを施す際には
動かしている/力を入れている直近の関節を
ターゲットとしているので
動きが大きくなる=改善されているとなります。
ですが、今回の場合には
直接運動を加えているのは肩関節で
胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲胸郭関節は
その動きに伴って間接的に動いています。
そのため、肩関節の動きだけに意識しすぎると
肩関節へのアプローチになってしまい
本来刺激したい他の関節への効果が薄れてしまいます。
確かに、上記3つの関節の動きが良くなれば
肩関節の動きはよくなりますが
肩関節の動きの良し悪しだけで
それらの関節の動きを評価できません。
肩関節を適度に動かしながら
あくまで胸鎖関節/肩鎖関節/肩甲胸郭関節に
刺激を加えることが大切です。
注意することは?
まずはターゲットとする関節周辺の状態です。
ターゲットとする関節周辺でケガをした直後は
固定や安静が必要になるので
施術を行うことで症状の悪化や
修復/治癒が遅延してしまう可能性があります。
そして肩関節の状態も注意する必要があります。
肩関節周辺のケガの直後は
そのケガの再発や症状の悪化の原因になるので
肩関節の動きを利用した施術は避けましょう。
また、肩関節の関節症や五十肩などの場合は
関節を動かすことで痛みが強くなったり
施術後に症状が悪化してしまうことがあるので
様子を見ながら気をつけて施術を行う必要があります。
最後に
身体にはたくさんの小さな関節や
動きの小さい関節がたくさんあり
それらの関節の動きが悪くなることで
大きな関節の動きも悪くなってしまいます。
肩関節の動きが悪くなっていたり
動かすことで痛みや違和感がある場合には
一度、胸鎖関節/肩鎖関節/肩甲胸郭関節を
確認してみてください。
Comments