「あれ?腕が上がりにくいな…」など
肩の動きの悪さを感じたことはありませんか?
その肩の動きの悪さ、鎖骨が原因かもしれません。
今回は「肩関節と鎖骨」関係性について紹介します。
肩関節と鎖骨
肩関節は上腕骨と肩甲骨で構成されていて
肩の動きは主にこの2つの骨の動きによって起こります。
しかし、肩関節は身体の中でも
最も関節の動く範囲(関節可動域)が広いため
肩関節の真上に位置している肩鎖関節や
その肩鎖関節を構成している鎖骨の動き、
肩鎖関節と反対側で胸骨と関節を構成している胸鎖関節など
さまざまな影響を受けながら関節運動を行っています。
そのため、肩の動きを改善するためには
上腕骨や肩甲骨周辺だけではなく
鎖骨周辺の状態もしっかりと把握する必要があります。
肩関節の動きと鎖骨の動き
肩関節の動きでは
肩甲骨と上腕骨の動きの連動が大きな割合を占めていますが
肩甲骨の一部(肩峰)と関節を構成している鎖骨の動きも
肩関節の動きで重要な役割を担っています。
肩関節には6つの動きがあり
それに伴って鎖骨の動きも異なります。
※肩甲骨の動きを含めると10こ
1. 腕を前に上げる(屈曲)
→鎖骨の上方回旋+外側の挙上の複合運動
2. 腕を後ろに引く(伸展)
→鎖骨の下方回旋+外側の挙上の複合運動
3. 腕を横(外側)に上げる(外転)
→鎖骨の外側の挙上
4. 腕を身体に内側に寄せる(内転)
→鎖骨の外側の下制
5. 腕を外に捻る(外旋)
→鎖骨の上方回旋
6. 腕を内に捻る(内旋)
→鎖骨の下方回旋
上記に記したように
胸鎖関節を支点に鎖骨の上下運動と回旋運動は
肩関節を動かす際に自然と連動しています。
そのため、鎖骨の動きが悪くなると
肩関節に十分な”余白”ができなくなってしまうので
結果として肩の動きが悪くなってしまいます。
予防・改善はどうする?
鎖骨の動きをよくするには
鎖骨についている筋肉を緩めてあげる必要があります。
大きな筋肉である大胸筋や僧帽筋、
三角筋(特に前部)などはもちろんですが
ポイントとなるのは鎖骨下筋です。
鎖骨下筋は鎖骨から第1肋骨にかけてついていて
鎖骨を下げる働きがあります。
この筋肉がハリやコリなどで柔軟性が損なわれると
鎖骨の上下運動が阻害されて
肩関節の動きにも影響を及ぼします。
そのため、鎖骨周辺の筋肉を
マッサージやストレッチなど緩めてあげると
鎖骨の可動域も広がるので
より肩関節が動かしやすくなります。
また、肩鎖関節と胸鎖関節の靭帯やその周辺組織に
ハリなどが生じている場合には
それらを同時に取り除いてあげると
さらに肩関節の動きの改善がみられます。
その他にも
猫背など姿勢の悪さも
鎖骨の動きが悪くなる原因になるので
姿勢を改善することも肩関節の動きの改善につながります。
最後に
肩関節の動きが悪くなる原因はさまざまですが
今回は鎖骨に着目して紹介しました。
もし、肩回りのマッサージやストレッチなどで
改善が見られない場合には
ぜひ鎖骨のチェックもしてみてください。
Comments