最近は猫背矯正や骨盤矯正のように
整骨院や整体などで
姿勢や歪みの改善を目的とした施術方法として
さまざまな“矯正”があり
実際に受けたことがある方もいると思います。
ですが、矯正を受けてから数日経つと
少しずつ矯正前の状態に戻っていき
「定期的に矯正を受け続けないといけないのかな」と
思ったことはありませんか?
そこで今回は、“矯正”がどういうものなのか
またその効果などを紹介していきます。
“矯正”ってどんなことをするの?
整骨院や整体などで用いられている“矯正”は
カイロプラクティックのような
骨(関節)をポキポキならすタイプのものと
ストレッチや手技などをいくつか組み合わせて
関節周囲の筋肉などの軟部組織を緩めるタイプ、
またその2つを組み合わせたタイプに分けられます。
姿勢が悪かったり歪みがある状態というのは
筋肉バランス(筋力と柔軟、左右差、前後差など)や
身体の使い方のクセ/習慣などによって
1つ以上の関節の位置関係がズレている状態なので
結果的に関節の動きに支障が出たり
身体の痛みや違和感などの不調を引き起こしてしまいます。
そこで、関節の位置関係のズレが改善して
それによって起こっていた
身体の不調を軽減させるために
“矯正”が用いられています。
そして、関節の位置関係のズレは
あくまで正常な範囲内なので
関節の位置関係が逸脱している脱臼や
解剖的に構造が変わっている変形や強直などを
改善することはできません。
矯正をしても戻るのはどうして?
矯正を受けた直後は
周辺の筋肉などの軟部組織が緩んでいたり
関節の位置も本来に近いところに戻っているので
一時的に姿勢や痛み・違和感などが改善されます。
ですが、その改善された関節の位置/姿勢を
維持できるだけの筋力や柔軟性がなければ
結局は矯正前の状態に戻っていきます。
そのため、矯正を受けた場合は
運動(筋トレ)やストレッチで
できるだけその状態を保つように
努力することが大切です。
また、片脚立ちや脚組み、
背中が丸まった姿勢などのような
普段のクセは矯正で改善された状態を崩す
大きな要因になるので
できるだけ意識してクセを改善するようにしましょう。
矯正のメリットとデメリットは?
矯正のメリットは
関節の位置関係のズレや姿勢の悪さによって
痛みや違和感、関節の動きの悪さを
短時間で改善できることです。
カイロプラクティックのような方法であれば
一瞬で改善することもありますし
いくつかの施術を組み合わせたものでも
10~15分ほどで改善されるでしょう。
そのため、日常生活に支障が出るほど
痛みなどが強い場合には
矯正を受けて一旦緩和させるのがおすすめです。
また、自主的な運動や
ストレッチと組み合わせることで
よりスムーズに身体の改善(肉体改造)が
できるようになります。
反対に矯正のデメリットは
「矯正による状態の改善=根本的な解決」ではない
ということです。
関節の位置関係のズレや姿勢の悪さの
大きな要因は筋肉バランスによるもので
裏を返せば、その状態は
現状の筋肉バランスに適している(楽な状態)
ということになります。
つまり、矯正によって改善された状態の維持や
その状態で身体を動かすことは
実は身体(筋肉)の負担となってしまいます。
ですが、一時的にでも状態がよくなると
大抵の人は「身体の状態が良くなった」と思い
矯正前には避けていた/できなかった動きを
普通にやるようになってしまうため
それによって身体を傷めやすくなってしまったり
状態を悪化させてしまうことがあります。
また、関節を鳴らすタイプの矯正は
頻繁に行ったり、回数が多くなると
関節周辺の靭帯などに緩みが生じてしまい
関節の安定性が低下してしまうことがあります。
関節の安定性が低下すれば
その分、関節内での動き(関節動揺性)が大きくなり
将来的な関節症のリスクを高めたり
関節周辺の筋肉への負担が多くなることで
筋疲労(コリやハリ)が起こりやすくなります。
矯正を受ける時にやった方がいいこと
矯正を受ける際には
その施術を卒業することを前提に
始めるようにしましょう。
先ほど説明したように
矯正のタイプによっては
頻度が高すぎたり長期間続けるなど
過度な矯正は逆効果になってしまいます。
また、矯正はその内容によっては
値段が高めに設定されていたりするので
頻繁にまたは長期間受けることで
トータル的に出費が大きくなります。
そのため、矯正を受けた時には
施術者に
どういう状態なのか(筋肉バランスなど)
どういう施術をしたのか
維持/改善のために何をしたらいいのか
を説明してもらい
運動やストレッチなどを習慣にするようにしましょう。
ある程度、正しい関節の位置関係や姿勢を
維持できるようになれば
1-2カ月に一度ほど軽いマッサージや
ストレッチを受けるだけことで
リフレッシュやリラックスも兼ねて
身体のメンテナンスができるのでおすすめです。
最後に
矯正はあくまで
一時的に状態をよくするもので
根本的に状態を改善するものではありません。
繰り返しの矯正は、逆効果になったり
金銭的にも出費が大きくなりやすいので
「矯正はあくまで補助」という意識で
運動やストレッチ、姿勢改善など
できることは積極的に取り入れることをおすすめします。
Comments