長時間のデスクワークや過度なストレス、
気温の低い環境下で過ごすなど
首コリを引き起こす要因はさまざまあります。
そして首コリによって
頭痛やリラックスできにくくなるなど
いろんな不調を引き起こしてしまいます。
そこで今回は
首の前側面に位置している
胸鎖乳突筋(SCM)のコリについて紹介します。
胸鎖乳突筋って?
胸鎖乳突筋(SCM)は
頭蓋骨の耳の後ろあたりから
胸骨と鎖骨に向かってついていて
首の動きや頭を支えるために重要な筋肉です。
この筋肉は
頚椎(首の骨)の弯曲が減少してしまう
ストレートネックやスマホ首に
大きく関係している筋肉で
両側の胸鎖乳突筋が収縮する(力を入れる)ことで
頭(顔)を前に突き出したようになります。
そのため、ストレートネックやスマホ首の人の
胸鎖乳突筋は筋硬結(コリ)が強く
柔軟が低下していることが多いです。
また、この筋肉の近く(裏側)には
頭部へ血液を運搬する頚動静脈や
副交感神経(リラックス神経)である迷走神経、
頚リンパ節が位置しているので
この筋肉のコリ/柔軟の低下は
頭痛や睡眠の質の低下、頭部/顔面部の浮腫みなど
さまざまな不調の要因となってしまいます。
胸鎖乳突筋を緩めるにはPRがおすすめ!
胸鎖乳突筋を緩める(柔軟の改善)には
ストレッチやマッサージがあります。
ストレッチとしては
伸ばしたい側と反対方向に頭を傾けると
胸鎖乳突筋が伸ばされます。
(例:右のストレッチ→左に頭を傾ける)
このとき、両手で胸骨・鎖骨を固定したり
片手を頭にのせたりすると
よりストレッチがかかります。
マッサージをする場合は
肩や腰をするときのように
ただ単純に筋肉に向かって
力を加えるやり方ではなく
筋肉の場所をしっかり把握して
筋肉をつまんで揉むようにしましょう。
そして、今回紹介したいもう1つの方法は
胸鎖乳突筋のセルフPR(Positional release)です。
筋肉をつまんで(少し痛い程度)
首を前後・左右に傾け
左右に回旋(回す)して
痛くない方向で止めて30秒~1分ほど
そのままの状態を維持することで
筋肉のコリを軽減して
血流を促進してくれます。
<やり方の例>
コレには注意して!
胸鎖乳突筋だけでなく
首周りの筋肉をケアするときには
いくつか注意しなければいけない事があります。
1つ目は、過度に首を動かさないことです。
ストレッチのときにやりがちですが
より大きく曲げた方が筋肉が伸びるからと
過度に首を曲げたりすると
かえって首を傷めてしまいます。
特に首は、構造上、
後屈(首を後ろに反らす)と回旋(捻り)は
神経や血管に悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、ストレッチなどで
頭を傾けたり回旋させる時には
大体45度未満に抑えるようにしましょう。
2つ目は、左右同時にやらないことです。
ストレッチとセルフPRは
片方ずつになるので問題ないですが
マッサージ、特にリンパマッサージでは
両方同時にしてしまうことがあると思います。
ですが、胸鎖乳突筋の近くに位置する
頸動脈(頸動脈洞)には圧受容器とよばれる
血圧の調節に関わるものがあり
左右同時にマッサージをすることで
これを刺激してしまい、急激な血圧低下を
引き起こしてしまう危険があります。
そのため、首周りのマッサージをするときには
片方ずつ、適度な力加減で行うことが大切です。
そして3つ目は、ケアをするタイミングです。
基本的にはいつ行っても大丈夫ですが
血流が活発になる運動や入浴のタイミングでは
注意が必要です。
首周りのケアは
頭部への血流にも関係するので
運動や入浴の最中や前後に行うことで
一気に血流が改善されて、頭痛や吐き気などを
引き起こしてしまうことがあります。
特に、筋肉のコリやハリが強い場合には
これらのタイミングは避けて
一度でよくしようとせずに
少しずつ改善していくようにしましょう。
最後に
首周りの筋肉は、上体を起こしているだけでも
頭を支えるために働いていますが
呼吸のように生きるために必要で
無意識的な動きに関与しているものもあります。
また、ストレスや寒さによっても
筋疲労を起こしやすい場所でもあり
首にコリやハリを感じたことのある方は
多いと思います。
簡単なケアでいいので
日々の習慣にすることで
リラックス効果や頭痛の軽減にもなるので
気になる方はやってみてください。
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