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執筆者の写真trefle osteo

温泉で身体の不調を改善できる?

火山がたくさんある日本では

全国各地に温泉があり

trefle osteoが拠点としている大分は

その中でも "おんせん県" といわれるほど

有名な温泉地のひとつです。


そして温泉に馴染みのある場所では

温泉を用いた治療法が生み出され

日本では「湯治」、

ヨーロッパでは「Balneotherapy」として

心身のケアに用いられています。


今回は温泉に

どのような効果があるかなどを

Balneotherapyをもとに紹介します。




温泉が身体に与える影響は?

温泉水には

ミネラルが豊富に含まれていて

特にK, Ca, Mg, Na の影響で

弱アルカリ性の水質になっています。


そしてこれらの成分(ミネラル)と

高い水温によって

身体にさまざまな影響を与えます。


まずは、末梢血管の拡張です。


末梢血管とは

太い血管から枝分かれした細い血管で

細い分血液の循環が滞りやすく

それにより痛み・炎症物質や

老廃物などが溜まってしまい

不調や悪化の原因になってしまいます。


そのため、末梢血管が拡張することで

全身の循環が良くなり不純物が流し出されて

酸素や栄養素などを含む

新鮮な血液を取り入れることができ

ダメージや損傷の修復・回復を促すことができます。


結果として

痛みや炎症の軽減

身体の不調の改善をサポートしてくれます。


また、温水による熱刺激や

水中の浮力によっても

痛みの軽減が起こるとも言われています。


もう1つは、深部体温が下がることです。


身体で作られる熱(体温)は

血液を介して全身に広がります。


先ほど紹介したように

末梢血管が拡張することにより

身体の末端部分の血流が良くなり

全身の血液分布が分散するので

身体の熱も同様に分散します。

※ただし、水温や入浴時間によって

 異なることがあります。


そのため、身体の深部体温は下がり

結果として入眠しやすい状態になります。


また、温泉に浸かると

皮膚を通して身体に熱が伝わりますが

その熱による組織温度の上昇は

皮膚表面から約2cm以内の深さと言われているので

身体の深部にまで影響しにくいです。


さらに、水に浸かることで

圧(水圧)が身体にかかるので

それにより浮腫みを改善したり

交感神経の働きを落ちつかせる効果がある

とも言われています。



どう取り入れたらいい?

湯治もBalneotherapy(BT)も

天然のミネラルを含むお湯を使用し

基本的に2~3週間かけて不調の改善を試みます。


ただし、湯治の場合は

15分ほどの入浴を1日2~3回行い

BTの場合は30分ほどの入浴を週5~6回行います。


また、水温に関しても違いがあり

湯治では時間帯に応じて

水温を変化させることもありますが

(例:朝→熱め、昼→ぬるめ、夜→適温など)

BTでは36~38℃のお湯を使用し

室温も27℃前後の適温に調節します。


そのため、湯治の場合は

長期間にわたり休養を取る必要があるので

BTの方が日常に取り入れやすい方が

多いかもしれません。


お湯に含まれるミネラルの量も

BTでは少なくとも1g/L 含んでいる必要があり

湯治でも温泉水を用いる必要があるので

基本的には温泉施設に足を運ばなければいけません。


ですが、温泉施設が身近になかったり

日常的に足を運ぶのは難しかったりと

「温泉に浸かる」ということを

生活に取り入れることが難しい方も多いですよね。


そこでおすすめなのが "炭" です。


炭は多くのミネラルを含んでいるので

自宅の浴槽に入れることによって

温泉水ほどではありませんが

ミネラルを含む温水に変化させることができます。


備長炭や竹炭を(竹炭の方がミネラル含有量が多い)

湯船に入れて最低でも30分、

できれば2時間ほど放置することで

ミネラルを含む温水にすることができます。


入浴用の炭も販売されているので

興味のある方はチェックしてみてください。


そして、入浴中にできる範囲で

ストレッチやマッサージなどを行うことで

より効果を感じることができます。



注意することは?

まず注意しなければいけない事は

その時の健康状態です。


ケガの状態が急性の場合や

風邪や感染症などを発症している場合は

入浴をして血流が良くなることによって

痛みや症状を悪化してしまうので

入浴は避けた方がいいです。


また、血栓症など

心臓血管、血液に疾患や

何かしらの健康問題を抱えている場合には

担当医に相談したうえで

安全に行う必要があります。


そしてもう1つは

その時/日の気温と水温の温度差です。


冬の寒い所から

いきなり暖かい湯船に浸かることで

一気に血管の拡張や血流に変化が起こることで

ヒートショックを起こすことがあるので

浴室をできるだけ適温に近づけた状態で

入浴を行うことが大切です。


その他にも

入浴前後、また入浴中には

しっかりと水分補給を行い

脱水症状を引き起こさないようにしましょう。


また、夜遅い時間帯に入浴すると

睡眠の質を下げてしまうので

入浴の時間帯も重要なポイントです。



最後に

湯治やBalneotherapyのように

日本だけに限らず

温泉水に入浴することは

治療として考えられています。


もちろんそれだけをすれば

改善するわけではありませんが

食事や運動と組み合わせることで

改善を促進することができます。


また、ミネラルを含んでいる方が

湯治やBTとしての効果を得られやすいですが

お湯に浸かるだけでも

血流の改善や免疫向上などの効果は期待できるので

できるだけ湯船に浸かることを

習慣にしてみてください。

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