椎間関節とは
椎骨(頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個)の
1つ1つの間の関節で左右にあります。
そして、それらの関節は
何気ない日常の動作で
簡単に捻挫してしまいます。
今回はその”椎間関節捻挫”について紹介します。
椎間関節捻挫って?
冒頭でも少し紹介しましたが
椎間関節捻挫とは
椎骨(首~腰の骨)の間で構成されている
関節で起こる捻挫です。
椎間関節は動きの多い関節なので
関節自体の安定性が低いため
それぞれの椎骨の間は
7つの靭帯で固定をされていて
さらに、周囲の筋肉によって
より安定性を高めています。
ですが、それらの靭帯の強度が低下していたり
筋力が低下したりすることで
瞬発的な動きに対応できずに
関節の捻挫が起こりやすくなってしまいます。
(例:ぎっくり腰など)
また、靭帯の強度や筋力が十分であっても
関節に負担のかかる姿勢や動きを
長時間したいり繰り返し行ったりすることで
結果として捻挫になることもあります。
(例:寝違えなど)
椎間関節捻挫の予防や改善方法は?
椎間関節捻挫の予防・改善方法は
一番は筋力向上です。
靭帯は痛みなどを感じることはできますが
筋肉(骨格筋)のように意識して動かして
鍛える/強化するということができません。
また、捻挫などによって
靭帯自体を損傷してしまった場合には
数か月~数年をかけて修復していきますが
修復された靭帯は元々の靭帯に比べて
強度が低い(約1/2とも言われている)ので
筋力を高めずに”関節が緩んだまま”にしていると
同じところをまた捻挫していしまい
いわゆる”癖”になってしまいます。
そのため、首、腹部や背部、骨盤部の
筋力を強化することで
捻挫が起こりにくい身体づくりが必要です。
次に大切なのが靭帯/関節の柔軟性です。
靭帯は関節を安定させるものなので
もともと柔軟性の低いものですが
関節の動きを妨げないように
最低限の柔軟性を持っています。
ですが、ケガの期間の固定などによって
関節を動かさない期間が長くなると
靭帯の柔軟性が低下してしまい
関節の動きが悪くなってしまいます(関節拘縮)。
靭帯の柔軟性が下がってしまうと
本来の関節の動きをしたときに
靭帯が耐えられずに
損傷してしまうこともあります。
そのため、固定などによって
身体を自由に動かせない間にも
動かせる関節はケガした場所(患部)や
身体の状態に支障がない範囲内で
動かしたりストレッチをするなどして
靭帯/関節の柔軟性を向上することが大切です。
そして、ポイントとなるのが
長期間の不必要な固定を避けることです。
椎間関節捻挫で
よく固定具(コルセット)を使用するのが
ぎっくり腰などの腰痛です。
もちろん受傷直後の
炎症の強い期間や痛みが強いときに
コルセットなどを使って
固定することは必要なことですが
不必要に固定をし続けると
筋力と靭帯/関節の柔軟性の
両方を低下させてしまいます。
その結果、損傷した部分の安定性の低下と
健康な部分の柔軟性の低下によって
痛みがいつまでもなくならない”慢性痛”や
同じ部位の繰り返しの捻挫”癖”の
原因となってしまいます。
そのため、ある程度
炎症や痛みがなくなったら
少しづつ運動やトレーニング、
ストレッチなどを初めて
痛みのない範囲内で
リハビリを始めることが大切です。
オステオパシーではどう施術する?
椎間関節捻挫の方に施術を行うときは
炎症症状(熱感や発赤など)がある
急性期には患部への
直接的なアプローチは避けて
その周囲の皮膚や筋膜、筋肉などに
施術を行います。
炎症症状や痛みが落ち着いたら
徐々に患部へもアプローチをかけで
患部の修復/回復のサポートをします。
よく使われるテクニックとしては
・STM(Soft-tissue massage: マッサージ)
・MET(Mussle energy technique)
・PE(Positional release)
・BLT(Balanced ligamentum tension)
の4つOMTです。
捻挫など靭帯がダメージを受けた場合
その周辺の筋肉は活発に働き
関節を安定させようとして
筋肉が疲労してハリやコリを
生じさせてしまいます。
そして、筋肉にハリやコリが出ることで
その周囲の筋膜や皮膚の柔軟性が低下して
ハリが出てきてしまいます。
そのため、STM, MET, PRの3つを使って
それらのハリやコリを取り除き
患部の循環を促進することで
炎症や痛みの軽減や
修復/回復のサポートをします。
また、靭帯に向けてBLTを使って
関節のこわばりを緩和させたりします。
患部から離れたところで
HVLAを使用して”スペース”を作る方法もありますが
椎間関節は首から腰に掛けて
全ての関節がそれぞれの関節に
影響を伝えやすい構造になっているので
患部を悪化させる危険もあるので
HVLAを行う際には注意が必要です。
そして施術の後には、患部の状態にあった
注意事項や運動などを伝えることで
できるだけ早くケガから復帰できるように
また、再発を防ぐように協力を仰ぎます。
最後に
寝違えやぎっくり腰など
椎間関節捻挫は実は一番身近な
捻挫の1つです。
予防もケガ後の改善も
筋力トレーニングや
ストレッチなどによって簡単にできるので
生活習慣の1つとして取り入れてみてください。
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