スポーツの中でも格闘技に当たる柔道では
練習や競技中のケガは日常茶飯事。
その中でも今回は、肩のケガの1つである
肩鎖靭帯損傷について紹介します。
肩鎖靭帯って?
肩鎖靭帯とは
肩甲骨の肩峰と鎖骨でできている
肩鎖関節を安定させている靭帯で
肩関節の動きに合わせて
肩甲骨と鎖骨を連動させる重要な役割があります。
肩関節は身体の関節の中でも
最も可動域の大きな関節ですが
その上に位置する肩鎖関節を通じて
肩甲骨と鎖骨が十分に動くことで
肩関節の可動域を最大限に活かせます。
どうやってケガする?ケガしたらどうなる?
肩鎖関節は、肘や肩、膝のように
意識的に動かす関節ではないので
関節自体の運動による靭帯損傷はありません。
そのため、基本的には
転倒時に手/肘をつくなどして
上腕骨が突き上げられることで
肩鎖関節に間接的に衝撃が加わった時や
肩をぶつけるなど
肩鎖関節付近に直接的な衝撃が加わった時に
肩鎖靭帯を傷めてしまいます。
柔道の場合、競技的に頻繁に転倒をすることに加えて
投げ技をかけられた時に
上手く受け身がとれなかったりすると
肩を畳に激しくぶつけてしまうこともあるので
肩鎖靭帯を損傷することが多いスポーツの1つです。
肩鎖靭帯の損傷が大きいと
肩峰と鎖骨の繋がりが弱くなるので
肩鎖関節脱臼を起こしてしまい
肩鎖関節付近で鎖骨が上に浮き上がる状態になります。
靭帯は1度損傷すると
修復されても元の強度より劣ってしまうので
肩鎖関節脱臼を起こした場合には
ケガが治った後でも
肩鎖関節付近の鎖骨の浮き上がりが残ってしまいます。
ただ、体重をかけたり
意識的に動かす関節ではないので
肩鎖靭帯を損傷した後も後遺症を比較的感じにくいです。
肩関節の動きの激しい運動/スポーツをしている場合は
プレー動作によっては腕の動かしずらさや
肩周辺の違和感や痛みなどを感じることもあるので
肩甲骨周辺と鎖骨周辺を含む
肩周りのトレーニングとケアが大切です。
柔道以外ではどんなスポーツで起こりやすい?
肩鎖靭帯の損傷は柔道でよく見られますが
その他のスポーツでも起こることはあります。
例えば、サッカーやバスケのように
走っている最中に転倒した時など
勢いよく手をつくことで間接的に衝撃が伝わり
肩鎖靭帯を損傷することがあります。
また、ラグビーやレスリングなどのように
肩を使ってタックルをするように
繰り返し肩へ衝撃が加わることで
肩鎖靭帯を傷めてしまうこともあります。
これらのスポーツでなくても
フィジカルコンタクトの激しいスポーツでは
肩鎖靭帯を損傷するリスクは高めで
腕の動きが多くなくても
鎖骨などを含む肩周辺のケガは起こりやすいです。
最後に
肩鎖靭帯はスポーツで起こるケガの1つですが
日常生活の中でも、転倒して手をついたり
肩を激しくぶつけてしまったりすると
損傷することはあります。
肩関節の動きの影響を大きく受けるところなので
損傷度合いに関わらず、ケガをした時には
できるだけ腕を動かさないようにして
安静にしてください。
Comments