手の持つ役割ってとても大きいですよね。
何かを持ったり扱ったりする手は
使う頻度が高い分、不調が出やすかったり
また、不調が出た時にはすぐに気づきます。
そして、その不調(神経症状)によって
物がうまく持てなかったり
持っているものをよく落としてしまったりなど
日常生活に支障をきたしてしまうことも多いです。
そんな時、ポイントになるのは”首”なのです!
今回は「手の不調と首」の関係性について紹介します。
手の神経は首から出ている!
手だけに限らず、身体を動かしたり
触覚や痛みを感じるための神経は
中枢神経(脳と脊髄)から出ています。
基本的には
脳神経は顔を含む頭部、
首の脊髄(頚髄)は両腕(上肢)、
背中の脊髄(胸髄)は内臓と胴体、
腰の脊髄(腰髄、仙髄)は下半身(臀部、下肢)の
神経を担っています。
※例外もあります。
そのため、上肢つまり
腕や手に不調が出たときには
多くの場合、首の問題も視野に入れます。
もちろん、急性のけがのように
原因(発生機序)が明らかであったり
痛みの出ている部分に損傷がある場合には
首を確認することはほとんどないです。
ですが、「気づいたら」症状が出ていた場合には
首の不調が原因となっていることも多いです。
問題が首にあるかどうかを見極めるには?
最初に説明しておきますが
その人の身体の状態や例外もあるので
この見極め方が必ずしも
全員に当てはまるわけではありません。
問題が首にあるのか
その他の場所にあるのかを見極める時のポイントは
症状が出ている範囲です。
先ほど、腕や手の神経は
首から出ていると説明しましたが
首からは8本の神経が出ていて
そのうち腕や手に関係している神経は
第5~8頚椎神経の4本です。
※第1胸椎神経も関与しているので
計5本の神経が関係しています。
そして、これらの神経は
それぞれ違う筋肉と感覚範囲を担っています。
そのため、もし首が原因で
腕や手に症状が出ている場合には
その侵害されている神経が
支配している領域に限られます。
例えば、手に痺れが出ている場合
もし痺れが親指側だけ、小指側だけのように
範囲が限られている場合には
首が原因で起こっている可能性があります。
逆に、手全体に痺れが出ている場合には
胸郭出口症候群(TOS)のように
腕への神経の束(腕神経叢)が
侵害されることによるものの可能性があります。
ですが、例え症状の範囲が限られていても
症状が出ているところから首までの間に
局所的に神経が侵害されることもあるので
必ずしも首に原因があるというわけではなく
首の不調によるものの可能性があるということです。
また、症状が”全体的”に現れていても
交通事故で首を痛めた経験がある人のように
首に広範囲の傷害をうけたことのある人の場合には
首が原因になることもあります。
症状の範囲以外にも
上肢の症状に加えて首の痛みなど
首自体にも不調がある場合には
首の不調と上肢の不調には関係がある可能性があります。
また、首にケガを負ったことがある人も
それをちゃんと治せていなかったりすると
慢性的な首の不調の原因となり
腕や手にまで症状が出てしまうこともあります。
最後に
今回紹介したのは
あくまで”可能性”の話ですが
腕や手への神経が首から出ている以上は
やはり上肢の不調の原因を考える時に
首のことも視野に入れる必要があります。
腕や手のマッサージやストレッチなどで
症状が緩和しないときは
首の状態も確認してみてください。
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