サッカーで代表的なケガというと
膝や足首など下肢(脚)のものが多いですよね。
ですが、試合中にプレーヤーが
手首にサポーターやテーピングを
着けているのを見たことはありませんか?
プレー中、走りながら激しいフィジカルコンタクトのある
サッカーでは転倒は日常茶飯事で
その際に手をついてしまうこともあります。
そしてそれにより
手首に強う力が加わって
ケガをしてしまうことも少なくありません。
そこで今回は、手首のケガの1つである
「TFCC損傷」について紹介します。
TFCC損傷って?
TFCC(Triangular fibrocartilage complex)とは
三角線維軟骨複合体といい
手首の小指側にある靭帯と線維軟骨の複合体で
手首の動きの補助(関節の安定性)や
手首への衝撃を緩衝するクッション的な役割があります。
そして、手首の使いすぎや手首への衝撃などによって
TFCCにダメージを負ってしまうことをTFCC損傷と言います。
どうやって損傷するの?
TFCCは手首の動きの中でも
捻りの動きの際に関与しているので
手首の繰り返しの捻り動作によって引き起こりやすいです。
手首の捻りの動きは肘の動きと連動しているので
手首単独の動きというよりも
手の表裏をひっくり返す動きを思い浮かべると
動作のイメージがしやすいと思います。
そして特に、手のひらを上に向けた状態から
下に向ける動き(回内動作)のときに
TFCCに負担がかかり損傷しやすいです。
また、転倒の際に手をつくなど
手首に直接的な衝撃が加わることでも引き起こります。
この場合は、1回の大きな衝撃で
ダメージを受けてしまうこともあれば
小さな衝撃が繰り返し加わることで
損傷してしまうこともあります。
どんな人に起こりやすい?
TFCC損傷を引き起こしやすい人の特徴としては
手首に負担のかかるスポーツや仕事、作業を
頻繁に行っていることです。
スポーツであれば、手首の動きを伴う
テニスやバドミントンなどラケット競技で
引き起こりやすいです。
ラケットなどの道具を使うスポーツでは
正しいフォームとして
”手首を動かさない” ことも多いですが
手首を動かすという意識はなくても
ボールなどの衝撃・パワーに反発するために
手首を動かす時と同じような力を加えることになります。
また、サッカーやラグビーなど
走りながらのフィジカルコンタクトが激しいスポーツは
勢いよく転倒をすることも多いため
転倒の際に手をつくことで
手首に大きな衝撃・負担がかかり
TFCC損傷を引き起こすことがあります。
仕事・作業としては
工事現場など比較的、肉体労働をしていたり
趣味でDIYなどの工具を頻繁に使う方に起こりやすいです。
工具の中でも、ドライバーやドリルなど
手首の動きと手首への衝撃が同時に起こる道具を使っての
作業を頻繁に行うことで
TFCCを損傷してしまいやすくなります。
そして、特にこれらに該当しなくても
もともと小指側の骨(尺骨)が長いために
TFCCを損傷してしまうことがあります。
※尺骨突き上げ症候群
この場合は、日常の中での動作でも
TFCCにダメージを与えてしまったり
上記のようなスポーツや動作を行うことで
より損傷を強めてしまうことがあります。
TFCC損傷を防ぐにはどうしたらいい?
TFCC損傷を防ぐには
手首の使いすぎを避けるが大切です。
もちろん、自分でセーブできる場合は
”休み” を設けることができますが
仕事の業務内容であったり
自分でセーブすることが難しい場合には
手首~肘のストレッチやマッサージを行い
手首周辺を緩めて ”スペース” を作ってあげましょう。
疲労が蓄積したり
関節周辺の柔軟性が低下することで
関節の動きが悪くなってしまい
TFCCへの負担も大きくなってしまいます。
手首周りの筋肉は
肘周辺から付いているものが多いので
手首~肘(前腕)をケアすることで
より効果的に手首の負担を軽減することができます。
そして、適度な運動を行い
十分な筋力をつけることで
転倒を防ぐという意味で重要になってきます。
体幹の筋力が低下すればバランスを崩しやすくなり
脚の筋力が低下すればバランスを崩した時に
自分の身体を支えることができなくなり
結果として転倒しやすくなってしまいます。
また、筋力低下や
腰椎椎間板ヘルニアなどのような腰椎症によって
脚が十分に上がらなくなることで
躓きやすくなり転倒の可能性が高くなります。
ストレッチや運動など
自分でできるセルフケアを行ったり
腰椎症のように身体の不調を抱えている場合は
病院などで処置をしてもらいましょう。
最後に
手首のケガは手首の動きを主としない場合でも
転倒などによって引き起こることもあります。
また、手首周辺のケアだけでなく
全身のケアを行うことで
結果として手首のケガを予防することにもなるので
○○だけケアをするのではなく
自分という ”1つのモノ” をケアするという意識で
身体をケアしてあげるといいかもしれません。
Comments