息をした時や身体を捻った時など
胸や背中に痛みを感じたことありませんか?
呼吸に合わせて常に動いている肋骨は
捻挫をしてしまうと呼吸をした時などに
胸や背中に痛みや違和感を生じてしまいます。
そこで今回は、誰にでも起こり得る
肋骨捻挫について紹介します。
肋骨捻挫って何?
肋骨は弓状の形をしていて
前で胸骨と、後ろで椎骨(胸椎)と関節を作り
肺や心臓などを守る胸郭を作っています。
肋骨と胸骨は肋軟骨を介して関節を作っていて
関節部分を胸肋関節
(Costochondral joints, sternochondral joints)といいます。
また、椎骨とは
椎骨横突起と椎体部分の2か所で関節を作っていて
それぞれを肋横突関節と肋骨頭関節といいます。
肋骨は左右12本ずつあり
下の2本(計4本)は浮遊肋と呼ばれ
関節は椎体との肋骨頭関節のみで
胸骨とは関節を持っていません。
そして肋骨捻挫とは
これらの関節で捻挫が起きたことをいいます。
肋骨は、これらの関節を軸に
上下運動をすることで胸郭を拡大&収縮して
呼吸のサポートをしています。
さらに、肋骨は
背骨(椎骨)の動きにも影響されるので
身体(上体)の前後左右の曲げ伸ばしや
捻りの動きに合わせて動いています。
そのため普段何気なく行っている呼吸や
身体の動かし方によって
これらの関節が捻挫を起こしてしまうことがあります。
何が原因で起こる?
肋骨の捻挫で多い原因の1つは咳やくしゃみです。
咳やくしゃみは
肋骨のそれぞれの関節が
意図せず瞬発的に大きな動きをするので
関節を痛めやすいです。
もちろん、数回の咳やくしゃみでは起こりにくいですが
数日間にわたる激しい咳や
長期間に長引く咳やくしゃみは
関節の捻挫、または肋骨の骨折の原因になります。
そしてもう1つは
身体(上体)の繰り返しの捻り動作です。
ゴルフや野球、テニスのスイング動作のように
繰り返しの激しい捻り動作は
肋骨捻挫、特に肋骨と椎骨間の関節を痛めやすいです。
また、繰り返しではなくても
転倒時や何かを避ける時など
予期せず瞬発的に捻り動作をした時にも
肋骨捻挫を起こしてしまうこともあります。
その他にも
姿勢の悪さや背骨の歪みは
肋骨の正常な動きを邪魔してしまうので
気づかない間に慢性的に
捻挫を引き起こしてしまっていることもあります。
どうやって予防・改善するの?
まず予防としては
咳やくしゃみの症状がひどい場合や
症状が長引いている場合には
病院に行って原因となっている
風邪やアレルギーなどを改善したり
咳止めなど症状を緩和させる薬を
処方してもらいましょう。
スポーツをしている方は
スイング練習を行う際にはやりすぎに注意をして
練習後にはアイシングやストレッチなど
しっかりをケアをしてあげましょう。
姿勢の悪さや背骨の歪みがある方は
筋力トレーニングやストレッチを行って
筋肉バランスを整えたり
普段から姿勢を意識したりして
姿勢や歪みの改善をしましょう。
また、女性の場合は
サイズの合っていない(きつい)アンダーウェアは
肋骨の動きを制限してしまい
慢性的な捻挫の原因になるので
自分の身体に合ったサイズのものを選びましょう。
肋骨捻挫の改善方法としては
まずは痛みがある間は
痛みが生じる動きを避けて
できるだけ安静にしましょう。
また、捻挫を起こしている場所によって
横になった状態でも痛みが生じるので
痛みのない体勢で寝るようにしましょう。
※例:右側の捻挫→右を横にして寝ると痛い
もちろん
咳やくしゃみの症状が続いている場合は
薬を飲むなどして
できるだけ症状を抑えるようにしましょう。
そして、肋骨捻挫を起こした後は
肋骨のそれぞれの関節の動きが悪くなっていて
その分、呼吸が浅くなってしまい
睡眠の質が下がったり
疲れが取れにくくなったりして
他の健康問題の原因となってしまいます。
そのため、痛みがなくなった後には
肋骨の動きを意識した深呼吸を行うなど
肋骨の動きを改善することが大切です。
最後に
肋骨の関節はその他の関節と比べて
継続的に関節運動をしているので
捻挫や骨折を起こしても
固定することができない関節です。
これらの関節を痛めてしまうことで
呼吸だけ痛みを感じたり
睡眠の妨げになってしまうなど
日常生活にも支障が出てしまうので
普段からケアをしたりして予防をすることで
捻挫にならないようにしましょう。
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