OMT(オステオパシーテクニック)には
施術だけではなく、徒手検査法も含まれます。
徒手検査法とは
特定の動きや姿勢/体勢などによって
どこに問題があるのかを確かめる手段です。
今回はその徒手検査法について紹介します。
徒手検査法って?
徒手検査法は
関節や筋肉などの運動器に対するものから
呼吸器や消化器などのさまざまな臓器、
神経に対するものなど数多くあります。
そして、これらの検査法は
オステオパシー特有のものではなく
それぞれの分野で実際に使われているものを
オステオパシーの現場でも使用しています。
徒手検査法の中には
能動的(その人自身が行う)検査法と
受動的(施術者が行う)検査法の
大きく分けて2つのタイプがあります。
能動的な検査法では
施術者から受けた指示をやってみて
それができるかどうか
また、やってみて痛みや違和感などの
症状の発現や悪化の有無を確認します。
<能動的な検査法の例>
Phalen test ⇒ 手首(手根管症候群)
Valsalva Maneuver ⇒ 腰(腰椎椎間板ヘルニア)
Active SLR ⇒ 骨盤(仙腸関節の不安定性)
受動的な検査法では
施術者が身体を動かしたり
何かしらの刺激を与えたりすることで
それに対しての反応をみたり
症状の発現や悪化がないかを確認します。
<受動的な検査法の例>
Spurling test ⇒ 首(頚椎椎間関節捻挫など)
Neer's test ⇒ 肩(肩峰下インピンジメント)
Doorbell ⇒ 背中&腰(椎間関節捻挫など)
どのタイミングで使われる?
徒手検査法は基本的に
自覚症状などの話をした後に
実際にどこに問題があるのか調べる時に使われます。
そして、陽性が出た検査法は
施術の後にもう一度行い
症状の緩和の確認にも使われます。
また、徒手検査で陽性が出た場合は
詳細な情報を得るために
レントゲンなどの画像診断などの
精密検査を必要とすることもあります。
基本的に確定診断には
画像診断や血液診断などの精密検査が必要で
日本では医師による診断しか認められていないので
整骨院や整体などで
「この症状の原因は○○でしょう」と言われても
それは確定診断にはならないので
確定診断が必要な場合は専門医に一度見てもらいましょう。
徒手検査法は自分でもできる!?
先ほど説明したように
徒手検査法の中には能動的な検査法があり
その人自身が特定の動きをしたりすることで
どこに問題があるのかを調べる方法があります。
そのため、それを使うことで
どこが悪いのか自分で的を絞ることができます
例えば、先ほど出した例の中にある
Active SLR testであれば
仰向けになり、膝を伸ばしたまま脚を上げた時に
腰の下の方(仙腸関節)に痛みが出れば
腰痛の原因は仙腸関節の不安定性によるものの
可能性が高くなります。
ただ、徒手検査法を行うときは
いくつかの検査法を数カ所に行うことで
問題がある所を見極めていくので
「1つが陽性/陰性だから○○」というわけではないので
あくまで可能性の1つだというくらいに留めておきましょう。
また、なんとなくどこが悪いかわかっても
それを改善する術がなければ意味がないので
自分でできる必要はないです。
最後に
徒手検査法は身体の状態を把握するために
とても重要な役割を果たしますが
あくまで可能性の範囲を狭める程度しかできず
確定診断を行う際には
専門医による検査が必要となるので
そこだけは注意しておきましょう。
Comments