香り
- trefle osteo
- 2022年6月25日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年11月11日
日常生活の中で
”香り”は重要な情報のひとつです。
たとえば
ガスのにおいは危険を知らせてくれて
花の香りは季節の移り変わりを知らせてくれて
濡れたアスファルトのにおいは天候を知らせてくれます。
香りはさまざまな成分の配合によって作られていて
その成分の中には
私たちに癒しを与えてくれるリラックス効果を持ったものや
気持ちをシャキッとさせてくれる
リフレッシュ効果を持ったものもあります。
また人によって好きな香りは違い
その香りを気分転換に用いている方も多いですよね。
今回はそんな香りについて
自律神経に与える影響について紹介します。
香りが身体に与える影響
香りの身体に与える影響に関しては世界的にも研究されていて
その多くは心拍数や血圧、皮膚のコンダクタンスなどによって
自律神経(交感神経、副交感神経)への影響が研究されています。
またアンケートを用いて
香り別に覚醒度合いや快楽感などを数値化して
被験者の主観的な感性への影響が研究されています。
この2つの方法は同時に行われることが多く
主観的な感性の変化と客観的な数値の変化は比例傾向にあります。
例えばその香りによってリラックスを感じた場合には
心拍数や脈圧の低下など副交感神経優位の状態がみられ
逆に覚醒度合いの高い香りでは
心拍数や脈圧の上昇など交感神経優位の状態がみられています。
香りの影響はもちろんその種類によって
結果は変わってきますが
その香りの強さによっても影響に違いが出てきます。
香りの強さによって
リラックス効果や快楽度合が上がることはありませんが
逆に不快感や覚醒度合が上がることはあります。
香りの成分
香りを楽しむアロマや香水などの多くには
リモネン(Limonene)とリナロール(Linelool)が
香りの成分として含まれています。
①リモネン
リモネンはグレープフルーツやレモンなどの
柑橘系の香り成分として多く含まれていて
特にこの成分は覚醒(リフレッシュ)作用を持っています。
そのためこの成分を多く含んだ香りを嗅いだ時には
副交感神経の働きが抑制されるため
心拍数や血圧の上昇など
交感神経優位の状態の特徴がみられます。
また脂肪分解が促進されることにより
血漿中のグリセロール濃度が上昇し
体温の上昇も起こります。
②リナロール
リナロールはラベンダーやベルガモットなど
多くの自然植物に含まれている香りの成分で
リラックス効果があるとされています。
そのためこの成分を多く含む香りを嗅いだ時には
交感神経の働きが抑制され
副交感神経優位の状態になるので
心拍数や血圧の低下などの特徴がみられます。
またリナロールを嗅いだ後には
脳内のストレスホルモン(物質)の減少もみられるため
ストレス軽減効果もあるといわれています。
その他にも酢酸リナリル(Linalyl acetate)という成分は
リナロールと一緒に存在しており
筋肉の弛緩を促す作用があるので
リナロール同様にリラックス効果があります。
香りの使い分け
香りの使い分け方としては
リフレッシュや気持ちをシャキッとしたい時には
リモネンを多く含む
柑橘系(レモン、オレンジ、シトラスなど)がおススメです。
また薄荷やペパーミントなどに多く含まれる
メントールも清涼感のある香りなのでおススメです。
逆に寝る前など、リラックスしたい時には
リナロールを多く含む
フラワー系(ラベンダー、ベルガモット、ローズウッドなど)の
香りを使うといいです。
さらに日本の国花である”桜”の香りは
多くはありませんがリナロールを含んでおり
子どもの頃から馴染みのある日本人にとっては
リラックス効果があるといわれています。
ただし、いくら成分として効果があったとしても
そもそもその香りが好きじゃなかったりすると
その香りの効果を感じることは難しくなります。
そのため、あくまで「自分の好きな香り」の中から
使い分けを行うことが大切です。
先ほど
柑橘系はリフレッシュ(覚醒)効果があるといいましたが
アロマや香水などの柑橘系の香りには
リモネンと同時にリナロールも多めに配合されていて
柑橘系の香りでも”リラックス効果”としても
使えることも多いです。
そのため、もしフラワー系の香りが得でない方は
柑橘系など他の香りで比較的リナロールを多く含んである
「リラックス効果がある」香りを選んでみてください。
また仕事の合間など
寝る前みたいに完全にリラックスはできないけど
休憩時間などに「ちょっとリラックスしたいな」と思う時にも
リナロールを含んでいる柑橘系の香りを使うと
適度にリラックスできるのでおススメです。
最後に
生まれてから発達の早い嗅覚は
赤ちゃんでさえそこから得られる情報で
母親かどうかを見極めるほど
”香り”は私たちにとって、とても重要な要素です。
自分な好きな香りをうまく活用して
気持ちの切り替えやリラックスしたい時など
そのシーンに合わせて香りを楽しんでみてください。
ただし、香りには好みがあり
自分の好きな香りを好まなかったり
強さによっては不快に感じる方もいるので
香水などで外出時に香りを身に纏う場合は
適度な量で香りを楽しみましょう。
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